
ストック
ミヨシにおけるストック販売は、1955年に黒川浩氏との協力関係が始まったことをきっかけに急成長し、主力商品となりました。近年では、跡を継いだ黒川幹氏が開発した品種が海外でも評価され、国際的な重要品目となっています。

ストック品種開発の歴史
黒川浩氏は、1956年に最初の品種「黒川早生」を開発して以来、1960年代の「寒千鳥」「桃千鳥」「祝赤」、1970年代の「秋の紅」「秋の紫」「彼岸王」、1980年代の「早雪」「早青」「高波」「高波2号(雪波)」など、数々の品種を生み出し、日本のストック栽培の発展に貢献しました。特に「彼岸王」と「クリスマススノー」の交配から生まれたアイアンシリーズ」は、世界中の品種に影響を与えました。また、スプレー咲きの系統の発見により、スプレー咲きの「カルテットシリーズ」が誕生しました。


黒川幹氏は、アイアンタイプやスプレータイプの育種を引き継ぎ、豊富なカラーバリエーションを生み出しました。「アイアンシリーズ」は、海外市場でも高い評価を獲得しています。

国内情勢について
2024年現在、国内の主要な流通品種は、「アイアン」と「カルテット」で、市場の約8割を占めています。「アイアン」は、その品質の高さから、国内外のスタンダードストックの勢力図を塗り替えました。「カルテット」は、スプレータイプという新しいジャンルを開拓し、ストックの新たな需要を創出しました。また近年、気候変動の影響を受け、早生性を高めた「アーリーアイアン」や「ハイカルテット」がリリースされ、ストックの流通期間の拡大に貢献しています。
国内での今後の展開
ストックは、北海道から沖縄まで全国で栽培されており、主要産地は千葉県と山形県です。今後は、気候変動に対応できる品種の開発に加え、八重鑑別というストック栽培特有の課題に対して、オールダブル品種や鑑別が容易な種子の開発、八重鑑別済みプラグ苗の販売など、品種や栽培方法の両面からのアプローチが求められます。
