デルフィニウム

デルフィニウムは、その魅力的な青い色合いから、世界中で古くから親しまれてきた植物です。現在流通している品種には主に3つの系統があり、ミヨシでは1970年代から種苗販売を開始し、その後品種改良に取り組んできました。当初は導入品種の販売が中心でしたが、組織培養による増殖や交配育種によって独自の品種開発を進め、オンリーワン品種・ナンバーワン品種の開発に力を入れてきました。その結果、「デルフィニウムのミヨシ」というブランドを確立していきました。

組織培養を利用した独自品種の育成

ミヨシは1985年から組織培養による大量生産技術の開発を進め、1993年に初のメリクロンデルフィニウムの販売を開始しました。その後も「ワルツシリーズ」「トリックシリーズ」など新たなメリクロンデルフィニウムの開発に力を入れ、国内では水のワルツ、海外では海のワルツが定番商品となっています。

水のワルツ

F1品種開発への挑戦

メリクロン品種の開発と並行して、F1品種の開発にも取り組みました。1998年には初の自社育成F1品種「プリズムシリーズ」を発表し、その後も「トリトンシリーズ」「スーパーシリーズ」「アリエルシリーズ」など、様々な品種を発表してきました。現在は、より短小開花しにくく高品質な切り花を採花できる「ルチアシリーズ」の開発を進めています。ミヨシは、主要3タイプすべてのデルフィニウムのF1品種開発に成功しています。

シネンシス系デルフィニウムの黄金時代

1996年に発表した「ハイランドブルー」は、従来のデルフィニウムのイメージを覆すような草姿で、大ブレイクしました。この成功は、ミヨシグループの様々な技術力によって支えられています。ミヨシが開発したデルフィニウム品種は累計123品種にのぼり、そのうち64品種がミヨシオリジナル品種です。特にシネンシス系のF1品種が多く、2023年までに18品種を販売しています。

カタログの表紙を飾ったハイランドブルーのボタニカルアート

日本国内で流通するデルフィニウム切り花の70%はシネンシス系が占めており、さらにミヨシが開発したF1「スーパーシリーズ」がそのほとんどを独占しています。F1スーパーシリーズは、近年海外でも注目されています。また、2014年には「青い」をテーマにした「ジャパンブルー」を開発しました。2021年には世界初のシネンシス系八重咲き品種のF1「ビジューシリーズ」を発表しました。

ジャパンブルー

鉢物・花壇用への展開

切り花用品種だけでなく、鉢物用品種「ミントブルー」や、鉢物・花壇用品種F1「チアブルー」も開発し、後者は2021年にフロロセレクト金賞を受賞しました。