イチゴ

ミヨシグループは、イチゴの実取苗と親苗を販売しています。オリジナル品種に加え、許諾を得た他団体育成品種も取り扱っています。当初は栄養繁殖型のみを取り扱っていましたが、現在では種子繁殖型の育種、販売も行い、グループ全体で重要な品目となっています。

ミヨシグループとイチゴの始まり

1972年から始まったイチゴのMC苗販売は、全国の先駆けとなりました。その後、国や農協の苗供給体制が整備され、ミヨシグループの供給本数は減少しましたが、炭疽病の蔓延により無病苗の重要性が増し、クリーンなMC苗の需要も伸びました。培養変異のリスクを回避するために、母株の果実検定を行って増殖する体制を整えることになります。

イチゴ メリクロン(MC)苗

病気との闘いと克服への道

イチゴ農家は、親苗からランナー増殖した苗を露地育苗するのが一般的でしたが、夏季に炭疽病が多発していました。ミヨシグループも露地育苗が主流でしたが、生産販売体制改善のため施設内でのランナー増殖に移行しました。

さらに重要病害への対策を強化するために、2005年に生産体制の改革を行いました。「生産施設の衛生管理」「外部からの病害リスクの排除」「感染拡大防止」を最重要課題とし、5つの体制を整備しました。具体的には、外部導入母株の隔離施設管理と病理検定、原種管理施設と販売苗育苗施設の分離、高設ベンチでの栽培と点滴潅水、ランナー小苗のポット受け生産、底面潅水設備への改修です。

2024年現在では、徹底した衛生管理、環境の変化に応じた管理、苗の変化を感じられる人材育成により、長期にわたり安定した良苗の出荷を実現し、さらなる生産拡大に挑戦しています。

新しいイチゴの先駆者となれ!

ミヨシグループは、長い間自社品種がなく、オリジナル品種の育種と販売が急務でした。2008年に世界初の白イチゴ「初恋の香り」の生産・販売を開始。その後、2017年には初のオリジナル品種「星の煌めき」を販売開始し、観光農園を中心に販売を伸ばしました。

左)初恋の香り  右)赤いイチゴの果実

栄養繁殖型イチゴの開発と並行して、種子繁殖型イチゴの開発にも着手。2009年から「イチゴ種子繁殖型品種開発コンソーシアム」に参加し、日本で開発された種子繁殖型イチゴとして初めて「よつぼし」の販売を開始。ミヨシグループは、いち早く自社で採種、様々な規格の苗生産に取り組み、他社に先駆けて新たな販売形態を日本中に浸透させました。

「よつぼし」の種苗生産・販売に合わせて、自社オリジナルの種子繁殖型イチゴ品種の開発にも力を注ぎ、2021年にベリーポップシリーズ「はるひ」「さくら」「すず」を発表しました。

世界をミヨシグループのイチゴでいっぱいに

世界中にイチゴ種苗を販売するには、国内での良苗生産と販売強化、海外へのミヨシグループ品種の浸透、国内・海外の両方を視野に入れた育種が重要です。国内および海外での需要に応えられるように、種子繁殖型品種および栄養繁殖型品種ともに今後も開発を進めます。