実生系プラグによる
種苗生産技術の開発と
事業展開

1985年、(株)ティエムボール研究所(以下TMB)は、Ball社、(株)みかど育種農場、(株)トーメンのジョイントベンチャーとして設立されました。TMBは、当時Ball社が開発に力を入れていたプラグ苗生産技術を日本に導入し、プラグ苗専門の苗生産会社としてスタートしました。

プラグ苗販売による高収益型園芸事業の確立

ポット苗からプラグ苗へ

TMBは、当時の園芸業界が抱えていた種苗の安定供給に関する課題に着目し、プラグ苗の導入を図りました。プラグ苗はセル成型苗とも呼ばれ、生産者と苗生産会社の双方にとって収益性向上に貢献すると考えられました。

ハウス内でプラグ苗を生産している様子

プラグ苗生産技術の導入

Ball社との提携により、TMBは北米のプラグ苗生産技術を導入しました。栃木農場から始まり、後に北海道、千葉、長野、大分に拠点を拡大しました。現在、千葉、長野、大分の3つの農場で年間15万トレイのプラグ苗を生産しています。

長野農場の全景

進化するプラグ苗生産技術

TMBは生産性向上のため、播種作業の機械化を進めました。現在ではハミルトン社のドラムシーダーにより、1日最大1,000枚の播種が可能です。また、差し替え作業の効率化や生産履歴の保存のためのシステムも導入しています。

機械化された播種作業

一方で、灌水作業は状況に応じた対応が必要なため、人手で行っています。

プラグ苗の安定供給が定着するにつれて、栽培技術が進歩し、付加価値の高い商品の開発も進みました。ユーストマの高冷地育苗、スターチスのバーナリゼーションはその一例です。また、長野と千葉の農場を活用したリレー育苗により、プラグ苗を使った切り花の周年栽培も可能になりました。

潅水作業の様子

TMBのプラグ苗生産技術は、(株)エム・アンド・ビー・フローラとの合併を経て、現在もBall社の技術指導を受けながら進化を続けています。今後も顧客のニーズに応え、改良改善を重ねていきます。