キタテハ 秋型

キタテハ 秋型

Polygonia c-aureum

 

ソリダゴ・ファイヤーワークスのお花に訪れた、キタテハです。羽の裏はこのように地味で枯れ葉のような模様ですが、表側はオレンジ色に黒いヒョウ柄の結構派手な色あいの蝶です。

 

ときどきお花以外のガーデンに訪れる昆虫や野鳥を紹介しています。昆虫は久しぶりですね。キタテハはタテハチョウ科のメジャーな蝶で、夏と秋の年に二回発生します。それぞれ、夏型、秋型と呼んで表の色あいや羽のギザギザが異なります。

 

蝶のことを知らないと別の種類と勘違いしてしまいそうです。写真のキタテハは秋型で、ちょうど9月頃に見かける秋型は、表側のオレンジ色が鮮やかで、ヒョウ柄が小さく少ないため明るい色あいのきれいな蝶です。

 

ただ、写真に写っている裏側は夏型のほうが明るく枯れ葉っぽい印象もありません。秋型はギザギザが深く鋭いことや、焦げ茶に近い色あいから、枯れ葉や樹皮に似た感じです。

 

これには理由がありまして、キタテハはこの後冬眠します。木の洞や積もった落ち葉の間などに紛れて、翌年の春まで厳しい冬を蝶の姿のまま過ごします。そして早春の頃から少しずつ活動を始めて、次の新しい命を繋いでいきます。

 

ぱっと見地味で、気にもとめないような生き物でも、生態を知ると面白いことがたくさんあります。これは植物も動物も変わりありません。興味を持ったら名前だけでなく、もう一歩踏み込んで「知る」と楽しいかもしれません。