Crocus sativus L.
香辛料として有名なサフランのお花です。サフランライスや香り付けなど、ヨーロッパ料理には欠かせない食材の一つですね。
サフランとして利用されるのは、写真に写っている紅色の二本長く伸びた部分で、これがサフランの雌しべです。
一花一花丁寧に手摘みされて、乾燥したものがサフランとして流通しています。
学名を見て頂ければ分かるように、サフランは秋咲きのクロッカスの一つです。クロッカスの原種には秋咲きのものも多く、
地中海沿岸の原種にはいくつも秋咲き種があります。サフランは原種が見つかっておらず、自然交雑で成立した種と
いわれていて、ギリシアのクレタ島付近が最も古い栽培地として知られています。
実は全て栄養繁殖で、遺伝的に同一のものというのは、意外と知られていないことのようです。三倍体なので種子が
できないため、人の手で分球により広まっていきました。日本にあるヒガンバナも九州の一地域を除いて三倍体なことは
よく知られていますが、人が有用植物を広める力というか、影響の大きさには驚かされます。