ヒメツルソバ

ヒメツルソバ

Persicaria capitata

 

ヒマラヤ原産のタデ科の宿根草です。寒さに強そうに見えますが、地面が凍結すると枯れてしまいますので、あまり耐寒性はありません。その代わりこぼれ種で雑草化するほどタネから育てやすいので、寒冷地では春に蒔いて、真冬まで楽しむ一年草扱いをしています。

春から秋遅くまで咲きますが夏の間はお花を休みます。今年は残暑が長かったせいか、ようやく小渕沢でも花が咲き始めました。これから全体がピンク色に見えるほど咲いてくると思います。

日本に導入されたのは明治時代で、始めから観賞用のお花として栽培されてきました。当時は「こんぺいとうの花」なんてうたい文句で売られていたそうです。写真のヒメツルソバはまだつぼみで、つぼみのうちは確かにピンク色のこんぺいとうのような感じもします。

それにしても赤まんま(イヌタデ)やミゾソバ、アイなど人と係わってきたタデの仲間はいくつかあると思いますが、食用のソバ以外ほぼ全てペルシカリア属なのはただの偶然でしょうか。

以前は Polygonum属1つに入れられていた植物を再編成した際に、意図的に集められたんじゃないのか? と疑いたくなります。もちろんそんな理由ではなく、遺伝子的に近い種類をまとめた結果です。

霜程度なら地下部は枯れないため、関東より西では雑草化している所もあるそうです。毎年種子から育てて、小鉢でコンパクトに咲かせるもよし、お庭の隅で手を掛けずに育てるもよしです。斑入り品種も販売されているので、寄せ植えにもおすすめです。