春の香りとロウバイ

素心ロウバイの花

素心ロウバイが咲き始めて、今年も良い香りで楽しませてくれています。甲府では昨年末にはもう咲いていて、お正月飾りに使った知り合いもいて驚きましたが、基本的には1月から2月に咲く花木です。

1つ1つのお花は10円玉くらいの大きさで、それほど大きなものではありませんが、枝を埋めるほどびっしりと咲くためとても良く香ります。香りの強い花木では沈丁花(ジンチョウゲ)や金木犀(キンモクセイ)がすぐに名前が挙がる代表格ですが、素心ロウバイの香りもかなり強いと思います。

ただ沈丁花や金木犀ほど話題にならないのは、香りの性質がこれら二種とは異なるからでしょう。沈丁花や金木犀のどちらの香りも風もないのに辺り一面に広がっていきます。近くを通りかかるだけで、おや? どこかで咲いているなと分かります。

それにくらべると素心ロウバイの香りはあまり広がらないようです。側に寄るととても強い香りだと分かるのですが、視界の外から香ってくるほどには強くありません。香り成分の違いから拡散性にも違いが出るものと思いますが、受粉を助けてくれる昆虫に対するアピールの差もあるのかもしれません。

このあたりのお話はまたの機会に。